舞台完成までの稽古期間はどれくらい?【実はこんなことやってます】
「舞台が完成するまで、どれくらい稽古するんだろう?」
「稽古って実際どんなことをやってるの?」
今回はこんな疑問にお答えしたいと思います。
➡今回の記事内容
①舞台完成までの稽古期間はどれくらい?
②舞台の稽古ではこんなことが行われています
上記2本立てでお送りします。
この記事を書いている僕は、過去に6年間舞台を中心に役者活動をしていました。
小さい劇場だと30人規模の舞台から、大きい劇場だと1500人規模の舞台まで出演をしました。
ある程度、舞台に関する知識は持っていますので、普段役者さんがどんな稽古をしているのかを本記事でご紹介したいと思います。
舞台俳優が好きな方や、役者を志している方にとっては参考になる記事だと思いますので是非ご覧ください。
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舞台完成までの稽古期間はどれくらい?
舞台の稽古期間は、公演規模によって変わります。
小劇場(~300人キャパ)
小劇場の舞台稽古期間はだいたい2週間から3週間ほどです。
- 出演する役者の人数が少ない
- 舞台セット、導線などが大掛かりではない
小劇場の場合、出演人数が少ないことや舞台の演出導線がそこまで複雑じゃないという理由で比較的稽古期間も短く済みます。
稽古期間が短い分1日の稽古時間は長めですが、短期で集中して稽古に取り組んでいます。
中劇場(300~1000人キャパ)
中劇場の舞台稽古期間はだいたい1ヶ月間ほどです。
- 始めは週3回ほど
- 公演初日2週間前ほどからみっちり
300人以上の規模の舞台になってくると、稽古期間も長めになってきます。
しかし1ヶ月間みっちり稽古をし続けるわけではなく、最初の1~2週間は週に3回ほどの稽古を行うことが多いです。
公演の2週間前からがっつり稽古を行い、舞台完成まで整えていくといった感じです。
大劇場(1000人~キャパ)
大劇場の舞台稽古期間はだいたい1ヶ月半~2ヶ月間ほどです。
- 売れてる役者さんが多い
- 稽古場が代わる場合がある
大劇場の舞台になると、かなり売れている役者さんを起用します。
その為、スケジュールを確保することが難しいときがあります。
本番の役者さんが稽古に来れないときは『アンダー』といった代役を立てて稽古を行う場合が多いです。
さらに舞台セットなども規模が大きいことがほとんどなので、実際に仮のセットを組んで稽古を行う必要があります。
始めは立ち稽古のみを小さめの稽古場で行い、仮セットが組めるように広くて大きい稽古場に場所を変える場合もあるのです。
舞台の稽古ではこんなことが行われています
舞台の稽古では実際にどんなことが行われているのかを教えちゃいます。
舞台規模に関わらず、基本的には同じ流れで舞台稽古は行われます。
顔合わせ~本読み
稽古初日はまず出演者の顔合わせがあります。
顔合わせとは舞台の出演者がそれぞれ自己紹介や作品に対する意気込みを挨拶として行うことです。
大規模の舞台になると出演者も多いですし、マネージャーやスタッフの方なども全員集合します。
僕も赤坂ACTシアターでの舞台に出演したことがあったのですが、顔合わせでの人数が多すぎてめちゃくちゃ緊張したのを覚えています..笑
立ち稽古、演出付け
本格的に稽古が始まると、まずは立ち稽古を行います。
立ち稽古では動きの導線や身振り手振りなどは決めずに、役者さんの意志のまま行っていく稽古です。
同じシーンを何度も稽古していくのですが、毎回違ったシーンの様になるので立ち稽古が一番面白いかもしれません(僕は好きでした。)
ある程度、導線やシーンの雰囲気が見えてきたらそれに合わせて演出家が全体を整えていくといった具合です稽古が行われていきます。
余談ですが、演出家には2つのタイプがあります。
- 自ら演じることで、役者の動きを固めていくタイプ
- 演出席からは全く動かず役者まかせで指示を飛ばすタイプ
どちらが良いとは言いませんが、演出家の人によって舞台の完成度が変わってくるといっても過言ではないくらい演出家のポジションは大切です。
通し稽古、衣装通し
舞台公演開始2週間前くらいになると、通し稽古が始まります。
通し稽古ではその名の通り、舞台の初めから終わりまでを一切止めずに行う稽古の事です。
実際の衣装を着て本番同様の仮セットで組んだ状態で行う場合もあり、役者さんの集中力もMAXになります。
通し稽古が連日行われることで役者さんの疲労もたまってきますが、舞台を完成させるために全員で一丸となり稽古を行います。
劇場入り
舞台公演開始の3~4日前から実際の劇場に入って数回稽古を行います。
劇場に入るとスタッフさんがすでに本番の舞台セットを組んでくれていて、初めて本物のセットをみるとめちゃくちゃ興奮します。
テンションがあがっているからか、いつもより良い演技ができたり、出演者全員の気持ちもより一つになってきます。
こうした長い稽古期間を経てお客さんの前で本番を向かえるのです。
カーテンコールでお客さんの顔が見れるのですが、「頑張ってきてよかったな・・・!」と達成感がこみ上げます。
役者さんはあの瞬間が一番幸せかもしれませんね。
まとめ:お客さんの為に舞台俳優は意外と稽古を頑張っている
最後に今回の記事内容をまとめます。
- 舞台の稽古期間は規模によって全然違う
- 大規模な舞台だと稽古になかなか来れない役者さんもいる
- カーテンコールの為に全員で作品を作り上げています
以上です。
僕が経験したのはわずか1週間の稽古で本番を迎えるということもありました。
小さな劇団から大きな商業舞台までいろいろやってきましたが、本当にどの稽古もそれぞれだったなと思います。
大変なこともありますし、きついなぁと思うことを乗り越えてみんな頑張っていました。
今は舞台を見る側ですが、是非皆さんも今後舞台を観に行くことがあれば、稽古期間とかを想像しながら見るとちょっと役者さんの気持ちになって見れるかもしれません。